群馬の風土…群馬の自然の歴史的・地理的な概要

群馬県民に親しまれている「上毛かるた」を織り交ぜて、群馬の自然の歴史的・地理的な概要を以下に紹介したい。

位置~「つる舞う形の群馬県」

つる舞う形の群馬県

 群馬県は、関東地方の北西部に位置する内陸県で、空に舞う鶴の形に似ているとされている。九州南端~北海道北端および太平洋岸~日本海岸の中間部に位置することから、西南日本と東北日本、太平洋側と日本海側、両者の漸移(ぜんい)地帯とみることができる。そのため、県内には多様な地形や気候、植生等を見いだすことができる。

地形~「裾野は長し赤城山」

裾野は長し赤城山

 群馬県は、東・北・西の三方を山に囲まれ、南東部は関東平野が広がる。群馬県は山の多い県で、海抜500㍍以上の地域が県の総面積の約3分の2を占める。 火山が多いことも、大きな特徴である。現在も活動を続ける浅間山は、江戸時代後期に大爆発して大きな火山災害を起こした。群馬県人は、いつの時代でもこのような火山災害の危機に直面しつつも、火山がもたらす数々の恩恵を利用してきた。たとえば、県内の温泉の多さをはじめとして、浅間火山がつくりだした嬬恋村の高原地帯は、キャベツの一大産地となっている。また、赤城・榛名火山がつくりだした雄大な裾野は、見わたす限りの桑畑が広がり、日本一の養蚕県としての面目躍如(めんもくやくじょ)たる景観であった。

 

気候~「雷と空風義理人情」

雷と空風義理人情

 平野の広がる南東部は、太平洋岸気候区に共通する夏の高温多雨、冬の低温乾燥に内陸特有の条件が加わる。すなわち、夏の強い雷雨と冬の「赤城おろし」等の空っ風(からっかぜ)である。上州人気質を語るうえで重要な自然条件の一つと考えられている。

 山間部となる北部は、日本海側の気候区がはみ出した地域と考えることができる。冬季に降雪が多い地域が広がり、利根郡片品村やみなかみ町、吾妻郡草津町や嬬恋村などに数多くのスキー場が分布する。

植生~「紅葉に映える妙義山」

紅葉に映える妙義山

 南東部を中心とする平野部では、主に西南日本に分布し、クス・カシに代表される暖温帯広葉樹林(照葉樹林)等となる。冬の空っ風から家を守る屋敷林に、このカシがよく利用されている。

 北部を中心とする山間部では、主に東北日本に分布し、ブナ・カエデに代表される冷温帯落葉樹林等となる。秋になると、妙義山をはじめとする県内の山々で紅葉が美しく映える。

※掲載した絵は「上毛かるた」から転載した絵札です。著作権は群馬県にありますので、無断で使用することはできません。